お客様の声[U様]

≪ はじめに ≫ 第二話の主人公は、上越市のSさんです。 ご家族は、若いご夫婦と2人のお子さんの4人。

実家の古民家を上手に活かしながら、建ててからの暮らし方をいちばん大切に考え、生活が楽しくなるような家づくりをされました。もちろん、そんな家づくりが面白く楽しいものになったことはいうまでもありません。

●こちらの物語をとおして発見できることの一例をあげると…   ➔ 暮らし始めてから半自給自足・半セルフビルドな暮らし方を楽しむための家づくりで心がけることとは?   ➔ ウチに帰ってきたお子さんのこころもホッとさせてくれるものとは?。   ➔ お子さんが描く絵によく登場するくらい大好きな家づくりをするには? それでは、ストーリーの始まりです・・・
ご主人 ちょうどウチを探していて、子供が大きくなってくることを考えると、借家に住んでいても今時ローンの支払いと借家の家賃ってそんなに変わらないじゃないですか、そんなところから、それだったらうちらも家づくりを考えてみようかということで始まりました。 奥様    私は山の方に住みたいと思っていました。 ご主人 妻が結構山の方のもともとここの場所に住んでいたものですから、山の方にウチが欲しいというような、畑もやりたいという気持ちもあったものですから。 奥様    あと、薪ストーブね。 ご主人 自分の中で、やっぱり、薪ストーブをやりたい畑をやりたいって思っていたり、あと私上手くはないんですけど、いろいろ棚とかを作ったりそういうのするのが好きなんですよ。そうすると、音が出るじゃないですか、そういうことを考えると、やっぱり田舎の方がそういうことがしやすいこともあって、二人ともできれば街場の狭いところで近所の音を気にしながらよりは、ちょっと山に入ったところの方がいいなという話をしながら、三和の方とかね、いろいろ土地を見てまわりました。 奥様    浦川原とか大島とかも行ったねぇ…。 ご主人 今は合併して上越市になったようなところ、ホントそこらじゅう、まわりましたよ。 奥様   2年間くらいまわったよねぇ。 ご主人 まだそんなに、すぐ建てるっていう感覚になる前から、なんとなくそんな気持ちがあって、ちょっとずつ考えながら、ぐるぐると見て、あんなところいいなぁこんなところいいなぁって言いながらやってたんですわ。いざ、じゃぁ移ろうっていう気になったときになかなかいいなぁと思う場所がなくって、ずいぶんと悩みましたね。 ご主人 そうしている中で、妻が三姉妹で、長女が実家の少し下のところで新しくウチを建ていて、父母の部屋を作って住んでいて、実家のこのウチにはまだお父さんお母さんたちが住んでいて… 奥様    あとおばあちゃんとね。 ご主人 おばあちゃんもね。今度はそこへ厄介になりながらウチを探すみたいなかたちになったんですよ。その中で、将来的に両親が山の下の方に降りて暮らすんであれば、ここの実  家はつぶすってことになるなっていう話になっていて、他で土地を探していたんだけども、つぶすんだったならばココを譲ってもらえないかっていう話をしたんです。 奥様    ちょうどこういう梁のある家に住みたかったというのもあったので。 ご主人 希望とかを話し合っていても、やっぱりこのウチに住んでいたからこんなウチがいいなっていうのがあったんですよ、ベースにですね。こういう田舎の家に住みたいと思っていて、じゃぁココそのものはどうかっていう話になって、ダメもとで頼んでみようよと、両親に頼んでみました。そしたら、そういうことであればって感じで快く譲ってもらえることになりました。 奥様    いずれつぶすんであれば…。 ご主人 残っていた方が、父母たちもその後も来れるということで、そんな話になって、それでここのウチをベースに、今までの柱とかそのまま残したかたちで帰ってくるという方向になったんです。 奥様    その後、業者さんを何軒かまわってみました。だけど、なかなか、金額面で合わないところがあって…。 ご主人 業者さんによってこだわりってあるじゃないですか。私たちが見てきた業者さんて言うのが、昔ながらの造りだったこのウチにふさわしいリフォームのし方っていう感じの気持が強すぎちゃって、純和風の提案が出てくるんですよ。私たち自身の想いはというと、そんなにお金をかけたくないっていう気持ち    と、当然電化製品とかも置いていくし薪ストーブも入れたかったから、そんなに純和風じゃなかったんですよね。そのへんで、何回かお願いしても、やっぱり…。 奥様    伝わらないんですよね。 ご主人 気持ちが伝わらなかったり、最初っからこういう要望の話をしていても、そういう純和風な提案が出てきちゃうと、ちょっと難しいなっていう感じを持っていました。 奥様    たとえば、まるきっり純和風…それか、あとは一度全部壊しちゃってから、もっと小っちゃくして骨組だけあとでところどころに使って建て替えたらどうかっていうのもありました。でもそれにはやっぱり賛同できませんでした。 ご主人 それはそれの良さがあったんですけど、ただ、やっぱりうちらの住み方をしようとした時に住みずらくなっちゃうなぁっていう気持ちがありました。普通に暮らしたときに純和風すぎちゃうと、ちょっとスタイルが固定化しすぎちゃうと思うんです。うちらは着物で住むわけじゃないし、テレビとか置かないわけでもないですから…。 奥様    囲炉裏を使うっていうよりは、ストーブを置きたかったしね。 ご主人 私たちの造りたいウチっていうのが、あんまりこだわりはなくって、ただ木がふんだんに使ってあって、新建材って言われるようなものを極力少なく使いたいなって言うところと、あと電化製品は当然こんな環境だから使うので、その辺考えるとあまりそういうものが置いてあっても違和感がないウチという感じです。 奥様     あとは、半自給自足ができるところ。 ご主人 将来的に、そんなに片意地張らないで畑をやって、自分たちの食べるものを作っていきたいっていう気持ちがあったので、そのへんが実現できるウチが欲しいなっていう気持ちがありました。何件か業者さんを回ってそういう話をして提案してもらったりしていたんですけど…。 奥様    ちょっとね、どんづまってね。 ご主人 やはり、自分たちの考えをそのまんまフィードバックしてくれる人、それ以上にフィードバックしてくれるならばいいんですけど、自分たちの想いははそうじゃないんですよっていうようなところの提案をされてきちゃうことが多くて…。 奥様     私らは、言っていることをかなえてくれると思っていたんだけど、やっぱり会社の人にしてみれば、自分たちの理想を建ててその中に入ってもらう、そういう方が多くって、そういうふうじゃないといけないのかねって、逆に言うこと聞かないといけないのかねみたいな感じもありました。 ご主人 確かに決してそれも悪くなくて、それもアリなのかなぁみたいな気もした時もあるんですけれど、やっぱりそれを実現するにも予算もそれなりに必要で 、お話ししてるよりもどーんと高いところで出されてきちゃうと、いやぁそこまでは望んでいないんだけれどっていう感じのところがあったんですよね。でも、そこでうまく妥協しないで何とか踏みとどまれていたのもあったのかもしれないですけど…。 奥様     そこらへんで譲れないものが結構あって、そんな時にちょうどAさんと会う機会がありました。Aさんが、それじゃぁウチを見に来てみなって…。ウチは山崎さんといっしょに造った家だから、それでウチを見ていいなと思ったら山崎さんに会ってごらんって、言われたんです。それで、見せてもらって、あーっ、ナルホドっていう…。 ご主人 ウチはもともと壁を塗ろうかと言ってたんです。でも、将来的には塗ってみたいなって思っているんですけど、今もまだ全然ボードのまんまじゃないですか。Aさんのお宅へ行くと同じように構造用合板がそのまま見えている部分もあったりだとか、階段とかで素材が無垢のまま使われてるとかだったりとか、Aさんのデザインセンスも多分にあるとは思うんですけど、あとデザイン的にもいいなぁって感じました 奥様     すごいそれが気に入ったんだよね。 ご主人 逆にAさんのたぶん好みだろうなっていうのをそのまんまカタチにされてるという印象があって、ここまで踏み込んでそのまま実現できるのであれば、いいなぁって思ったんですよね。 ご主人 例えば、構造用合板むき出しの壁で造ってあるプライベートスペースの2階だとか、要するに1階の晴れの場というのは結構しっかりと造り込んであるんだけれど、2階の方に行ったらそんなに予算をかけないで、ただ自分たちがいいと思う仕上げにしてあるっていう、あんまり人の目を気にしない自分がいいと思う仕上げにしてあるっていう感じでした。 それと、照明の選択の方法だとか、たぶんこだわりのある人だったらばすごい照明をつけたいと思うだろうけどすごい照明をつけたからすごい空間になるわけではないじゃないですか。やっぱりAさんのセンスで付けてあるものなのか、山崎さんのセンスか、そのコラボレーションなんでしょうけど、それが結果的に見たときに、そんなにばっと見たときに高級な素材を使ってやっているんじゃないんだけど、居心地のよさそうな空間になっているんです。 自分たちがそういうのをやりたいなぁって思っていたから、あっこいう感じいいねっていう話をしていました。すごく手作りの空間っていうのかな…。 奥様     譲れないところは絶対にそうなっていて、譲れるところはそうなっている…。 ご主人 私も建築に絡んでいるような仕事をしているので、仕上げの仕事をしていると、手仕事を極力消そうとするんですよ。たとえば、クロス張る時に極力つなぎ目をなくす、下地を止めてあるビスの跡をなくす、でもそれはそれできれいなんですけれど、生活していくと、跡とか汚れて出てきますよね。でもウチみたいにこうやって昔から建っているような柱って汚れてはいるんだけど、これもありかなっていう素材を使っている以上は、これにあんまり汚れを気にするような素材を合わせたくないなぁって言う気持ちもあったので、そう考えると、これから新しく造る部分もまったくこれと合っている必要はないけど、将来的に馴染んできて違和感がなくなるような素材で作っていきたいなっていう考えがあったんですよね。 だから、あんまりうちの子やらないですけど、床なんかにガーって何か描かれたりしても、まぁ別にいいかなっていう気は正直あるんですわ。奥様 やっぱりきれいにしすぎちゃうと、自然のものでないとこう落書きとかされた時に、ホントに汚くなってしまうというのがありますよね。 それで、Aさんに紹介してもらって直接今度山崎さんにウチの方に来てもらいました。 ご主人 山崎さんが来た時、初め、向かいの神社の方からこっちの方を見たりだとか、いろいろされていたなぁ。外の環境も含めて、どんな感じがいいのかっていうような感じのアプローチの仕方をされていました。 うちらはあんまりそういうことまで気にしないで、ほんと囲ったこの空間の中だけで考えていたけれど、初めにそういう風に見られたから、あっこれはうちらと違う視点から見てもらえるから、いいなって思いました。 自分たちでこれって決めた中だけで考えていると、どうしても凝り固まっちゃうじゃないですか。そこの中に入ってきてもらってそこをベースにやるのも結構なんだけど、また違うアプローチの仕方をされていたので、造る時に自分たちと違う新しい外の視点というのを取り入れられてもっと良くなるかなぁって思いました。 それで、ちょっと今言ったような希望の話をしたら、このへんの雁木だとか造ったりしたらどうなのかなみたいな話をしてくれて、手描きの絵を描いてくれました。 奥様     こんなのはどうですかっていう感じで。こうこうしたいんですよって、取り入れたい部分を話していている時に、その場でササッと描いてくれました。 ご主人 さらに、もともとのウチだった時は、そこに1本跡が付いていますよね、このリビングには天井が打ってあったんですわ。で、山崎さんに天井裏にも上がってもらって梁を見てもらったりして、吹き抜けにしたいんだみたいな話をしました。もともとこういう梁組みの見える家に住みたいとも思っていましたから。 あとその時に、光の入る南側と風の通る東側の方に窓を付けてあげてとかっていう話も…。 奥様       そうそう、暗いウチだったから、冬でも明るくなるようにって。 ご主人 もともとがやっぱり、上を天井でふさいでいたこともあって、暗くってあと湿気もこもっていたので、その辺も話をしたら解決策を提案してくれて…。 こうやって何回か打ち合わせをしているうちに、うちら二人の中ではお願いしたいなっていう気持ちになってきましたね。 奥様    山崎さんは住む人の気持ちを先に考えてくれていたので…、今まではそうじゃなくて、格好っていうか、その会社のイメージを作っていくっていうところがありましたけど、そうじゃなくて住む人の、住んでどうやって暮らしていきたいのかっていうことをじっくり考えてくれたのでお願いしたいなと思いました。 ご主人 やっぱり、限られた予算内で自分たちの想いを実現しようとすると、莫大な金額がかかる中を、じゃぁどれだけ近づけようかといった時に、コストを抑えようとする方法とすれば、その会社さんでやりなれている方法っていうんですかね、それを取り入れていった方が予算が小さくできるっていうことなんだと思うんですよ。だから、そのスタイルが、その取り入れる場所が私たちの希望している場所と違うところが取り入れられるっていうのかな。例えば、新建材みたいなものを入れたりクロス張りにしないとやっぱり駄目ですねとか、クロス張りにしないで下地だけでいいんですけどと言ってても、やっぱりクロス張りですねみたいな感じだったりとか。そのまま使っていいっていうものをそのまま使えませんとか。 奥様     あとはやっぱり理解してもらえないっていうかね、うちらがどういう風にイメージしているのかを分かってもらえない、説明しているのになかなか分かってもらえないことが多かったですね。 ご主人 山崎さんたちからしてみれば当たり前のことなのかもしれないけれど。山崎さんそのものの性格というか、人柄もあると思うんですけど、よーく話を聞いて下さったと思います。 奥様     でも、環境をまず見て、風の流れをちゃんと確認してやってくれるところはなかったですから。やっぱり、暮らしていく中で風の通りとか日当たりとか一番重要なことになってくるから、そういうのをまず見てから、で、自分たちがどういう風に暮らしていきたいのかって聞いてくれるところはなかったんですね。 ご主人 たぶん他の業者さんも、同じことを考えていると思うんですよ。ただ、それが表に出てこなかったのかもしれないけれど…。あと、語っているときに目が合ったっていうのかな、こうやってごちょごちょって書いている時もあったり、ここにこういう空間があってこうやって暮らしていけるんだってみたいな感じの、なんとなくスタイルが見てきたっていうかね。 奥様    なんか、打ち合わせするのも楽しかったよね。 ご主人 夢を語るみたいな感じでね。 奥様     山崎さん自身が楽しんでくださっているから、私らも楽しいっていう感じでした。 ご主人 最初の頃は、まず金額度外視で… 奥様      まず考えてもらって、要望だけまず聞いてもらって… ご主人 とりあえず要望を…、お金のことを考えちゃうともう話にならないから、まず自分たちの希望は、こんな希望なんだ、こいう風にしていきたいんだっていうのぶつけていって、いろいろ聞いてもらいました。 奥様     それで、最初に描いてもらったスケッチを見ると、ほとんど今の実物と変わらない。 ご主人 手描きですけど、ほとんど同じですよ。玄関に入ってきて車庫があって、棚もあって…。もうこのままこれで造ってくださいみたいな感じですよね。ほんとにこのまんまで位置まで同じですよ。100%じゃないの?冷蔵庫あって、キッチンあって、薪ストーブあって…。あっ、ユニットバスの向きが違うだけ、ぐらいですね。 奥様     最初に伝えた希望というと、薪ストーブのある生活と、あとは木、木のたくさん使ってある家、あと梁の骨組みを残したいのと…、けっこういろいろ言ったよね。無理難題を(笑)。 ご主人 あと、構造用合板を使っても構わないから、壁とかは極力予算を抑えながらも、居心地の良い空間を作りたいなっていうとこかなぁ…。 奥様     あっ、あと削りたい部分を言ったんだよね。もっとウチを小さくしたいと。 ご主人 ウチは昔あった家を減築しているんですね。 奥様      こっちに座敷があったり居間がありました。大きな土間もありました。今まで雪下ろしでものすごく大変な思いをしていたんですよ。もともとそっちにまだ8帖の屋根がつながっていて、こっちにもまだ屋根がずっとあって、1日がかりで雪下ろしをしているような状態だったからね。 ご主人 屋根の形状も複雑だったので、上おろして下おろして、みたいな感じで…。そこにまたこう飛び出ている部分があったりしたりしてたから、雪下ろしするときも危なかったのもあるし、すごく雪下ろし自身もしずらかったですよね。だから、もうちょっとカタチをシンプルにしたいなってお願いしました。 奥様     あと、頭の中で間取りとかは、これはここに持ってきたいとかはだいたい決まっていたので…。 ご主人 形にしてもらったけれど、もともと私たちもこっちに座敷を置きたいとか、ここにリビングを作りたい、こっちにはキッチンかなぁみたいな、二人で話し合っていたものをぶつけて、次の打ち合わせで描いてきてくれたんだよね。 奥様    そうそう、山崎さんお弁当自分で持ってきてくれて、それでほぼ1日がかりでウチで描いてくれたんです。 ご主人 今の、たとえばリビングのところ、自然にできてますけれど、木のサッシを開けると全面オープンになるんです。これってうちらの考えじゃなくって、山崎さんが提案してくれたんですけど、そういうのは、雁木があるからこそできる技だと思うんです。私たちが言ったものをそのままっていうんじゃなくって、それ以上のもをやっぱり取り入れてくれてたんです。 奥様     たくさんオリジナルが入っているんですよね。 ご主人 いままでやられてきた経験の中で、良かったところとか、そういうものがこういうところに出てきているんだと思います。 奥様    あと、他社さんに聞いても上の値段を言うばっかりで、ここをこうするからいくらいくらかかるんだっていう説明がなかったんですよね。たとえば基礎をこうする、これをしなきゃいけないからいくらいくらかかるっていう、そういう細かい部分の値段とか、屋根のあれを変えなきゃいけないからこれがいくらいくらかかるとか、そういう細かい値段は一切出てこないで、これをするならいくらいくらですっていう感じになってしまうから、私たちもちゃんとした説明があっての上でお金の話をしてくれるんだったら納得がいくんですけど、これはこうですって言われちゃうと、そのためにお金を払うのは納得できなくて…。 でも、山崎さんは一つ一つちゃんと説明してくれて、これをずらすにはいくらかかってとかっていう説明をほんとに細かくしてくれたから、私らも安心して任せることができて、他ではそこまで細かく言ってくれるところがなかったものですから…。 ご主人 やっぱりそれなりの金額をかけて造るものですから、自分たちが納得できたり、自分たちがある程度想っていることが実現できていないとお願いしずらいですよね…。うちらがたまたま特殊だったんだと思うんですけど特に、要望自身が…、例えば今のユニットバスも前のユニットバスを使っているんですわ。前にここにあったユニットバスを移設しているんですわ。だから、使えるものは極力使いたいと考えていたり…。 奥様     コストを落とすために。 ご主人 落ちるかどうなのかはわからないけど、自分たちの中でかなりやりたいこととか、やらなくてもいいこととかっていう考えができていたんで、それを説明してプランとして返ってくればありがたいんだけど、返ってこないと、いやぁそうじゃないんだよなっていう気持ちがすごく強くなっちゃう…。 だから、自分たちの気持ちを実現してくれる業者さんであればいいんだけど、違う提案だとか、それはちょっと難しいだろうという提案が出てきちゃうと、そこで、いやぁダメかなぁ、自分たちでは大丈夫だと思うんだけどなぁっていところで納得できなくって…。 山崎さんは、それを実現するべく努力するタイプだったし、それ以前の私たちが最初に聞いてきた人たちは、考える前にまず自分ちの考えの方を先に出してこられて、私たちの意見が小さくなったっていうのかな、気持ちっていうのか…。 だから、うちらの中で、見落としたところだとか考えてなかった部分っていうのが、たぶん山崎さんの着想だとか考えが補充されて、こうなったんですよ。 奥様      だから、自分たちが考えているよりももっと面白い…。 ご主人 だから、このプランが出てきたときに、うちらが想っていることが入っていて、なおかつうちらが考えていなかったちょっと楽しそうな部分があるなって思いました。 例えば雁木のことは最初のころ全然考えていなかったので、それがあるということで例えば冬も使える部分があるなぁとか、ここを使って何かしたりとかも出来るかもねとか… 奥様    実際雁木はものすごい役に立っているし、みんな、ここら近所の人までみんな羨ましがりますね。雁木があることが、これいいねぇって言って。だから、夏はそこで焼き肉したりね…。野菜とかも置けるし干せるし、薪も置けるし、すっごい年がら年中助かっているよね。 ご主人 雨や雪があたらないそういうスペースってすごく重宝しています。 奥様     今度はその雁木で犬を飼おうとしているし(笑)。 ご主人 このへんは、まったくうちらが全然考えもつかなかったところで、山崎さんの考えだったんだけど、雁木があってホントに良かったよね。 奥様     工事中、私らはそこが住まいでした。 ご主人 そこに車庫があるんです。今は薪置き場になっちゃっているんですけど、その車庫に以前は車2台を入れていました。そこの1階に母屋の畳をもっていって敷いて、階段も古いウチからもっていって取りつけて、キッチンとか冷蔵庫とか家電製品を全部もっていって、上の方で布団敷いて寝る場所にしていました。下は畳敷いて生活して、上は布団敷いて寝間にして、そこで住んでいたんですよ。 奥様      9月のなかばにそこに移って、12月のクリスマス頃まであそこで暮らしていたんですけど、もうトタン1枚の壁なので、ご飯やお味噌汁を熱くしても… ご主人 吐く息が白いんですよ… 奥様      ママ、トタンが薄いねって上の子が言って、ちょっと救急車が通ると外の音がよく聞こえるねって。 ご主人 他のところで借りるとどうしてもお金もかかるし… 奥様      工事の様子も全然見れないし… ご主人 そのおかげで大変なことになったけどね(笑)、寒くってさ。 奥様      引っ越すときにはテレビの後ろに雪がこんなに積もってたんですよ。窓から雪が降ってきて。 ご主人 クリスマスだったからもう雪が降っていたんですね。積もっていたんだけど、家財道具出してテレビも出したら、後ろに窓があったんですけど、隙間から雪が入ってもう三角に積もっていたんですよ。 奥様      その年がすごい年で、11月の終わりからドカンと雪が降っちゃって、もう工事の間に3回は雪下ろししたかねぇ、山のように雪が積もっていて周りに3メートルくらいの壁ができていましたね。 ご主人 大工さんたちすごいかわいそうだったよね。 奥様    でも近くにいて、毎日のように家が変わっていく様子を見られて良かったです。 ご主人 そうだね。まるっきりつきっぱなしだもんね、現場監督みたいに(笑)、常駐で。 奥様      やっぱり、うちらは昔ながらの古いウチっていうのもあったので、山崎さんの提案で、土壁を崩してそれを全部袋に入れてもらって畑に入れさせてもらったんですよ。そういうのとかを普段大工さんにためててもらって、置いてもらったのを休みの日に一斉に家族みんなで運んだり、薪を作るために端材が出たのを裏に置いてもらって釘抜きをしたり薪を作ったりしてたんで、それで一緒にお茶を飲んだり、いろんな話しを大工さんから聞いたり…、寒いことはすごい寒かったんだけど、そうやって一緒に造って、一緒に家づくりをやらせてもらったよね。 歳をとってから田舎暮らしってしたくなかったんですよ。もうするんなら、子供にもちっちゃいうちからそういう経験をさせて、自然の中で育てられるようにしたいし、私らも若いうちから入りたかったから、歳とってからだとやれることも限界があるし、若いうちに入って自分たちのやりたい暮しっていうベースを作って、歳をとっていくっていうことをしたかったんです。 だからもっとそういう人が増えればいいなっても思います。冬はちょっときついけど、通勤しても車で20分30分して行けますし、そういう意味では街場と大して変わらないのかなって思いますよ。それでも、やっぱり土地を探すのは大変でしたね。空き家があってもなかなかそれを譲ってくれる人が見つからなかったり。 奥様     周りの友人には驚かれて、どうしてそんなに山奥がいいのかねって言われてるけど、私らにしてみればどうして街場の方がいいのかなって思うくらい。だけど、友だちがよく子供とか連れて来てくれるんですけど、その子供たちが帰りたくないって言ってくれるんです、面白いウチだよねって。 ご主人 以前ブランコとか作ったんだけどね、ちょっと危なかったからね(笑) 奥様     うん、あれはちょっと危なかったね。 ご主人 雁木の梁に縄をやって丸太んぼでブランコ造ってぶら下げていたことがあるんですけど。娘がズテって落ちてね、これ危ないからやめておこうかって、もうちょっとおっきくなるまでまぁいいかって。 奥様     今はねどんなに音がしたって何にも言われないしね。 ご主人 音はとりあえず気にしないね。アパートに住んでいたときは、お隣さんのテレビの音まで聞こえてきたりしたもんだけど、街場だとそんなもんだけど。 奥様      実際に住んでみて思うところは、床、塗装しないでよかったなぁって思います。 ご主人 最初は塗ろうと思ったんですけど、予算的な関係で塗らなかったんですわ。 奥様     あと、匂いとか出るのも嫌だったしね。塗らなかったから温かいんですよね、座ってても。人が来ても床に座って床が気持ちいわって言ってくれるし、子供たちも床をうつぶせになって這って気持ち良さそうだし。 ご主人 汚れとか気になるから塗装を勧められるんだけど。 奥様    でも山崎さんは塗装は勧めなかった。 ご主人 ただし、雑巾でよく拭くんであればって。(笑) 奥様      拭いて、だんだんそれが味になっていくからって。薪ストーブもすごい活躍していますよ。おでん作ったりね…昔ちっちゃいころにだるまストーブとかで燃やしてはいたんだけど、実際使ってみるとすごい色々と重宝しますね。 ご主人 すごい薪の量だけどね、どんどん使って、ホントもう山のようですよ。 奥様     休みの日はね薪を作るのが大変。 ご主人 1年かけて作ったやつが冬でなくなるんすからね(笑)。 奥様     近所の人が、薪、この木、いらんかねぇってくれるんだよね。 ご主人 それも山だからできることでね、街場じゃ無理な話で、置く場所だって必要だし、音だってチェーンソーでの音は結構大きいし… 奥様     街場じゃ煙りさえ言われちゃうからね。 ご主人 煙も出るし、置き場所もあるし、この場所だからできることがすごくいっぱいありますね。また、最近灯油とか上がってきていると聞いているとね、そういうのに左右   されないからありがたいなぁって思います。 奥様      でもね、子供が一番喜ぶよね。帰ってきたときに、この子も外に出てて帰るとすっごくホッとした顔するし、上   のお姉ちゃんもやっぱりウチの絵をものすごく描くようになったんですよね。この照明とか、この山崎さんが考えてくれた照明の絵とかすごい描いたり、あと煙突が必ずあるとか。 ご主人 ちなみにこの照明はね、山崎さんにお任せしたんですよ。こんなのでどうだっていうことで、わからなかったけど、やってみて下さいって。基本的にうちらは自分たちの考えていた希望のところは出しましたけど、それ以外のところは、できるだけ遊んでくださいって言ったんですよ。 それが、例えば、玄関の下駄箱のところに昔の古いそのへんで使っていた材料を使って、戸の跡が付いているんですけど、そのまま使ってもらったりだとか、そういうところはたぶん遊んでもらっているところだと思うんですよ、こういうのもそうですよね、自分たちで考えてもらって。気にしなければいくらでも使えると思うし、たとえば釘の跡だとかね、汚れだとか節だとか気にしなければ、いくらでも使えるところはいっぱいあるんだよね。そこの無双窓も前に使っていた材料を使って造ってもらってあるし。 奥様      玄関前の太ーい柱は山崎さんが探してきてくれて… ご主人 そうだね、あの両脇の柱… 奥様      あの太い柱抱きついて行く人もいるしね…、この太い柱が好きって(笑)。 ご主人 今はだいぶ汚れてきたから抱きつかないだろうけど(笑)。最初のころはね… 奥様     やっぱりリフォームしてもらってから庭とか作っていても面白いし楽しいし、やってもきりがないね。 ご主人 完成が完成じゃないんですよ、やっぱり。 奥様     じゃないからいいんだろうね、自分たちでも手を加えていくことがあるからいいんだよね。 ご主人 そのへんでちょこちょこって自分たちで改造したり、こんな風に今度してみたいなとかって考えてみるのが面白いんです。 奥様     壁を塗るとかね。 もうちょっと年配世代だとそれなりにお金もたまってて、時間もあるしっていうのもあるんだろうけど、あたしら世代みたいな人で、家を建てたいっていう人は結構いるんですよね。だけど土地を買ってしまうとお金がないとか、あとはあまりお金をかけたくないっていう人もけっこういらして、そんな時に、たとえば骨組みと要所、要のとこだけは職人さんにやってもらって、あとは自分たちで建ててくっていう提案でいくらいくらでできますっていうのをしてもらえれば、やりたい人っていうのはすごくたくさんいると思うんですよね。 やっぱりそうやって作っていけば、愛着も違うと思うし、実際悩んでいる人たちもいると聞くので、そういうのがあったら面白いなぁとすごく思います。 ご主人 本職の人からしてみれば、自分たちがやるよりも手間がかかっちゃうところもあるだろうしね。工事中に一緒にいられちゃうと困っちゃうだろうけどね(笑)、あとからならいいけどね…。 奥様     たとえば、住めるだけにしておいて後から住みながら手を加えていくっていう形にしていけば、やりたい人っていうのは結構いますよね。 ご主人 自分でかまいたいんですよね(笑)。 奥様     いま「自休自足」っていう季刊誌があって、そいうのを見てて何年か前からずっととっているんですけど、その中で結構古家を改造して、自分たちで手を加えていくっていうのもあったり、最初っから少しずつ造っていくっていうのもあったり、今少しずつそういうのが増えてきているみたいですね。だけどこういう雪国っていうのは冬の雪があるから、それをどう解消したらいいかと考えたときに、半セルフビルドで、たとえば屋根がちゃんとあって壁があれば、暮らしながらそういうこともできるかなって思ったりもして…。 私らも無理して頑張って共働きをみっちりしてローンを返していくんじゃ住んでいる意味がないって思ったんですよ、やっぱりある程度楽しんで住んでいかないと…、お金を払うために家を建てるわけじゃないし。 ご主人 ウチ造るのが最終目的になっちゃうとね…、結局暮らせなくなっちゃうから。 奥様   建ててから不幸せになっちゃう…やっぱりそういうのを結構聞くから、それは嫌だなっていうのもあって…。 ご主人 子供の部屋のスペースを作るとか、いろいろまた考えたりはしているんだけど、あと本棚作ったりだとか。そのへんも、もともと山崎さんたちから納めてもらったのとちょっと違くなっているんですけど(笑)。前は手すりがガラスの方じゃなくってこっち側の方についていたんですけど、    やっぱり物干しスペースだけにしておくのはもったいない、そこでも何かしたいなぁって言う話になって、そこに材料買ってきて手すりを手前側についていたのを奥側の方に付け替えて、物干しをこっちの方につけちゃってそこをもう少しスペース作ってあげたりとかしました。 そうやって、住みながら、もしかしたらまた元に戻るかもしれないし、いろいろ楽しみながら、その時その時、形つくっていくのがいいですね。 ご主人 そのへんが手の跡が残っているような材料だからできることなんだろうなっていうとこはあるけど、完全にもう出来上がって仕上がっちゃうと手をかけようがないっていうか、壊さないといけなくなっちゃうから…。 奥様    たとえば、下手な話、そこに子供に絵を描かれても頭に来ないけど、たぶんビニルクロスが貼られていたりクロス貼りだったら頭にくるんだろうなぁって思ったりもするしね…。 ご主人 さっそくこっちに描いたりとかもね。みんな大なり小なり手作りでやってるんだろうけどね。 奥様 やってるんだけど、やっぱり、それがどこまでやれるのかっていうところもあるだろうけど…。 ご主人 抵抗なくできるのかね。家づくりって大変だったけど、今になってみればすごくおもしろくて楽しかったです。大変満足しています。 【 このページのトップに戻る 】 ≪ おわりに ≫ 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 家は完成してから住みはじめると決まっているわけではありません。できるところは自分でゆっくり仕上げる、自分の手で造り上げる楽しさが “セルフビルド” の魅力ですね。 さらに暮らしはじめてからも、生活スタイルの変化とともに空間も変化していく。そんな家づくりのホントのところ、直接お施主様本人に聞いてみませんか? ためになるお話を、家づくりの主人公であるお施主様から直接聞くことのできる機会があります!

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